た~まにジャムる「大人の法律相談所」 小学館101新書『裁く技術』の愛読者はがきで告知の通り、著者・森炎弁護士が裁判員制度の疑問を中心に皆様の法律相談にお答えいたします。

著者プロフィール:もり・ほのお

1959年、東京都生まれ。東京大学法学部卒業。東京地裁、大阪地裁などの裁判官を経て、現在、弁護士。
東京弁護士会所属。著書に、『裁判員のためのかみくだき刑法』(学研新書)、『一目でわかる裁判員』、『シャル ウィ ジャッジ? 裁判員制度Q&A 200』、『市民裁判官への五つの扉』、『あなたが死刑判決を下すその前に』、『私にもできる刑事裁判』(パロディ社)、『「裁く」ための練習帳』(学習研究社)など。

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森炎弁護士へいただいたご質問は、本コンテンツ「大人の法律相談所」にて回答させていただきますが、掲載を保証するものではありません。また、掲載に際して表現などの一部を変更させていただくことがあります。あらかじめご了承ください。

2010年06月25日

Q「証拠について書いてあることに基本的な疑問を感じてしまいました。自白や共犯者の供述は危険、目撃証言も当てにならないとすると、最後には何もなくなってしまうのではないですか」(大阪府、女性、51歳、他1通)

A「それらを切り捨てていくということではありません。自白なども証拠として残す道があるからこそ、任意性とか補強証拠原則など、そのための条件がやかましく言われるわけです。それらの証拠の有効性を認めてのことです。ただ、危険性もあるので無条件には信頼できないということです。本書のP80~について、こういう観点からもう一度読んで...

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2010年06月08日

Q「裁判というものは、この本のような『裁く技術』という技術でやるものなのでしょうか。もっと、人間精神や人間感情でやるべきものだと思っていましたが、違うのでしょうか」(神奈川県、男性、46歳、他2通)

A「刑事裁判は『罪と罰』の世界ですから、最終的には、人間精神で裁くと言ってもいいでしょう。けれども、逆に人間精神だけでは裁けません。本書は、最後の人間精神による裁きに行きつくための予備知識であり、そのためのステップです。最後の最後で人間精神をより良く発揮してもらうためのものです」<6月8日 森炎>

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2010年06月02日

Q「この本を読むまでは、ニュースで『容疑者から同じ毒物が押収された』と聞いても、それがどうした?という感じでしたが、はじめてその意味がわかりました。ただ、意味合いはわかりましたが、それで容疑がどれほど有力になるのかまだ疑問が残ります」(福岡県、女性、55歳)

A「同じ毒物が押収されたということになると、種類が一致する限度で客観的な絞り込みができるわけですが、これはその物が何であるかによってだいぶん変わってきます。同じ毒物でも、青酸カリと農薬を考えてみてください。青酸カリでも同じ工場で精製されたものであることまで判明する場合もあればそこまでいかない場合もあります。物によりけり...

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2010年05月10日

Q「この本のP173では、江東区のマンション隣人女性殺害事件について、死刑にならないのが当然かのように書かれています。当然と言われても、釈然としません」(埼玉県、女性、29歳、他3通)

A「これまでの死刑の基準からするとそうなるということです。この事件は猟奇的な殺人事件でしたが、猟奇性というのは主観的なものですから、従来の基準ではこれだけで死刑というのは無理なのです。もっとも、これから裁判員制度のもとで、死刑の判断にあたってもっと猟奇性を重視すべきだというコンセンサスができてくれば違ってくるかもしれま...

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2010年04月14日

Q「この本のP166で、死刑かどうかのボーダーラインとして光市の母子殺害事件のことが書かれています。このような事件は死刑で当然と思う。健全な市民感覚としてもそれ以外ないと思いますが」(東京都、男性、40歳、他2通)

A「死刑で当然という意見もあるかもしれません。ただ、微妙なケースであることを知ったうえで死刑の判断を下すのと、知らずに死刑と判断してしまうのでは違うだろうということです。知らずに判断してしまうと、裁いた者としては、いつまでも後味の悪い思いが残るかもしれません。この本では、そうならないための予備知識を提供しているわけです...

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2010年04月02日

Q「第3章で、殺人事件の標準の刑は懲役13~14年ということが書かれていますが、人一人殺してそんなものですか。軽すぎるのでは?」(東京都、男性、52歳、他4通)

「そういう意見はあるかもしれませんね。けれども、実は、これは平成18年以降のことで、その前は、殺人事件の標準は懲役10年でした。これでも重くなっているわけです」

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2010年03月09日

Q「冤罪で死刑にされてしまうことはあるか」(東京都、男性、61歳)

A「無実の人が死刑判決を受けてそれが確定してしまうことを死刑冤罪と言っています。死刑冤罪は、これまで実際にありました。これまでに判明した分(数件)は、死刑が確定して執行されるまでの間にわかった分です。執行されてしまった分はわかりません。そうなったら、もうすべてが遅いのですから。つまり、冤罪で死刑にされてしまうことはあり...

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2010年03月01日

Q2「この本のP44に、裁判では、有罪無罪は『合理的に見て疑問が残るかどうか』で決めるということが出てきます。でも、それだと、無実の人も簡単に有罪にされてしまうのではないでしょうか」(和歌山県、男性、37歳、他5通)

A「無実の人が有罪にされてしまうこと(冤罪)はあり得ます。もし冤罪の可能性を100パーセントなくさなければいけないとしたら、裁判はできません。しかし、それは冤罪があっても仕方ないということではなく、冤罪の可能性が常にあることを考えて慎重に有罪無罪を考えるべきだということです。それが裁判という制度を成り立たせたうえで取り...

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2010年03月01日

Q1「いままで、裁判というと何となく100パーセントの証明が必要なように思っていましたが、本書を読むとそれほど完全に証明されなくても有罪とされるような印象があります。どのくらいの確率で決めることになるのでしょうか」(神奈川県、女性、32歳、他同様3通)

「100パーセントの証明というのは、現実にはありません。そのため、『合理的に見て疑問が残るかどうか』で決めることになっています。では、これはどのくらいのパーセンテージを指しているのかというと、95パーセント程度だとか、97,8パーセントだなどという学者の意見があります。数字はともかく、要は、裁く者が間違いないと納得でき...

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PLATINUM SALON(プラチナサロン)は、小学館男性誌・ライフスタイル誌・出版局の総合キャンペーン情報サイトです。
ライフスタイル誌「PLATINUM SERAI」の休刊に伴い、2010年4月1日をもってWeb「PLATINUM SERAI」からリニューアルして誕生しました。
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